私は甘すぎる溺愛から逃れる方法を知らない

翌日、仕事が終わり、私はいつもの公園に向かった。

私のカバンには、可愛くラッピングされた小さな箱。

昨日、お店で小さなお菓子の詰め合わせを買っておいた。

五日間、電話に付き合って貰ったのだから、ほんの気持ちでも渡したかった。

公園には、もう亮弥さんが来ていた。

「玲乃！体調はもう本当に大丈夫？」

「はい、おかげさまで……あの、これ……ちょっとだけだけど、お礼です……！」

亮弥さんは私のプレゼントを受け取り、嬉しそうに笑った。

「ありがとう。とっても嬉しい。じゃあ、これは俺から」

亮弥さんが私に花を一輪差し出す。花はチューリップだった。

「わぁ……！綺麗！ありがとうございます！」

「玲乃が頑張ったからだよ」

「……」

「玲乃？」

「亮弥さんは本当に甘いですよね。チャラいようで、チャラくないし、真面目なようで、からかったりもする。正直、戸惑う時もあるけど、段々慣れてきた気がします」

私は少しだけ笑いながら、そう言った。