私は甘すぎる溺愛から逃れる方法を知らない
「嬉しいけど……慣れられるのもちょっと悔しいな。もっと俺にドキドキしてほしい。今のままじゃ足りない?」

「っ!十分ですっ!」

「本当に?」

亮弥さんが私に一歩近づく。

慌てた私はつい口走ってしまった。


「ちゃんとドキドキしてるので、ご心配なくっ!……あ……ちがっ!今のは……!」


私の言葉に、亮弥さんはクスッと笑った。

「今の言葉は、嬉し過ぎるね」

「忘れて下さい……!」

「絶対、嫌」

「亮弥さんの意地悪っ!」

私が少しだけ頬を膨らましているのを、亮弥さんは楽しそうに見ていた。

「ねぇ、玲乃。今度、一緒に出かけない?」

「え……?」

「そうだな。映画とかショッピングはどう?」

急な申し出に私は上手く反応出来ない。
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