私は甘すぎる溺愛から逃れる方法を知らない
亮弥さんはベンチから立ち上がり、私の手をそっと掴んだ。



「もう、離してあげられない」



気づけば、私の頬にも涙が伝っているのが分かった。

でも、もう私の気持ちは決まっている。

私は、そっと亮弥さんの手を握り返した。



「私も離してあげない。ずっと昔から、ご褒美は『亮弥さん』からの花なんでしょう?」



その瞬間、亮弥さんが私を抱きしめた。

亮弥さんが私の頬に触れる。

私が目をつぶると、亮弥さんは優しくキスをした。


「大好きだよ、玲乃。本当に大好きなんだ」


「私も大好きです」


二人で目を合わせて笑い合えば、きっともう大丈夫で。
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