私は甘すぎる溺愛から逃れる方法を知らない
「あの……なんで、私のことからかうんですか?」

「からかってないよ。本気」

「そんなわけないでしょう……!初対面ですよ!?」

「うーん、一目惚れかな?玲乃が薬を持って震えてるの見たら、手を握りたいって思ったから。それだけじゃダメ?」

亮弥さんが私と目を合わす。


「私は好きじゃない……から……!」


「じゃあ、今からアピールしないとだね。どうしようかな……まずは……」


私の頬に亮弥さんが手を当てる。

亮弥さんの手が当たった場所から、熱が広がっていくのが分かる。

「離して下さい!」

「じゃあ、玲乃が振り払えばいい」

そう言われても、何故か体は上手く動いてくれない。

「本当に……離して……!」

「もう一回キスする?それとも……」

「ダメに決まってます……!」

「まだ言ってないんだけど。可愛いね、玲乃は」

次の瞬間、亮弥さんは私の頬に触れた自分の手の上にキスをした。
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