気高き敏腕CEOは薄幸秘書を滾る熱情で愛妻にする
「このままだと金洞商会は淘汰されてしまいそうよ。社長も頭を悩ませている。だからこそ副社長にはもっと気を引き締めて貰いたいのに」
「本当に……」
咲良は心から同意して相槌を打つ。
甘玉堂の件は別にしても、副社長にはもう少し態度を改めて欲しい。
会社で発言力を持つ役員が自分勝手な行動をしていては、一般社員のモチベーションが下がりそうだ。
本当にこのままでは、倒産してしまうのではないか。そんな不安をひしひしと感じるのだ。
「社長の苦悩に気付いて、真面目になってくれたらいいんですけど」
「そうね……あっ、そろそろ社長が出社する時間だから行くわ。今日、お昼一緒に行きましょう。続きはそのときに」
「はい、ありがとうございます」
美貴が社長室に向かうと、咲良は再びパソコンに向かった。
気になってワタライワークスについて検索する。
表示されたホームページの会社情報には、代表取締役社長CEOとして、颯斗の写真が掲載されていた。
写真の彼は清潔感のある紺のスーツを身に惑い、昨夜のような怪しげな色香は感じられない。
けれど相変らず完璧に整った顔に、控え目に浮かべた笑みは、謙虚さと自信のどちらも感じられ、彼が有能なリーダーなのだという印象を与えるものだった。
「四年前にスタートアップ制度を利用して起業。業務内容はビジネスアプリケーションの提供とコンサルティング業務……たった四年で利益率が三百パーセントもアップしてる」
スタートアップ制度と言うのは、国が新しく立ち上げる企業に支援をする制度だ。
ただ誰でも簡単に支援を受けられる訳ではなく、事業計画が正当であるか、またこれからの時代に即した新しい試みであるか、利益が見込めるか。代表者の信用状態はどうかなど、綿密に調査がされ厳しい基準に合格する必要がある。
颯斗はいずれのテーマも合格点を取ったということだ。
その後は怖ろしい程順調だ。ホームページのニュースの欄には、スタートアップ企業売上ランキング一位達成と記載されている。
掲載されているキャッシュフロー計算書をざっと見たが、この調子では借入金の返済などもなんの問題もないだろう。
健全な企業経営に加え、誰もがうらやむような将来性。
仕事が出来そうな人だという自分の直感は当たっていたのだ。
(本当に凄い人)
自分との違いをますます実感する。
「本当に……」
咲良は心から同意して相槌を打つ。
甘玉堂の件は別にしても、副社長にはもう少し態度を改めて欲しい。
会社で発言力を持つ役員が自分勝手な行動をしていては、一般社員のモチベーションが下がりそうだ。
本当にこのままでは、倒産してしまうのではないか。そんな不安をひしひしと感じるのだ。
「社長の苦悩に気付いて、真面目になってくれたらいいんですけど」
「そうね……あっ、そろそろ社長が出社する時間だから行くわ。今日、お昼一緒に行きましょう。続きはそのときに」
「はい、ありがとうございます」
美貴が社長室に向かうと、咲良は再びパソコンに向かった。
気になってワタライワークスについて検索する。
表示されたホームページの会社情報には、代表取締役社長CEOとして、颯斗の写真が掲載されていた。
写真の彼は清潔感のある紺のスーツを身に惑い、昨夜のような怪しげな色香は感じられない。
けれど相変らず完璧に整った顔に、控え目に浮かべた笑みは、謙虚さと自信のどちらも感じられ、彼が有能なリーダーなのだという印象を与えるものだった。
「四年前にスタートアップ制度を利用して起業。業務内容はビジネスアプリケーションの提供とコンサルティング業務……たった四年で利益率が三百パーセントもアップしてる」
スタートアップ制度と言うのは、国が新しく立ち上げる企業に支援をする制度だ。
ただ誰でも簡単に支援を受けられる訳ではなく、事業計画が正当であるか、またこれからの時代に即した新しい試みであるか、利益が見込めるか。代表者の信用状態はどうかなど、綿密に調査がされ厳しい基準に合格する必要がある。
颯斗はいずれのテーマも合格点を取ったということだ。
その後は怖ろしい程順調だ。ホームページのニュースの欄には、スタートアップ企業売上ランキング一位達成と記載されている。
掲載されているキャッシュフロー計算書をざっと見たが、この調子では借入金の返済などもなんの問題もないだろう。
健全な企業経営に加え、誰もがうらやむような将来性。
仕事が出来そうな人だという自分の直感は当たっていたのだ。
(本当に凄い人)
自分との違いをますます実感する。