気高き敏腕CEOは薄幸秘書を滾る熱情で愛妻にする
三章
三章 新婚初夜
七月十二日金曜日。咲良は赤坂のワタライワークス本社開催の中途採用説明会に出席した。
颯斗から仕事の誘いを受けたときは、断る気でいた。
結婚とセットになりそうな就職は出来ないと拒否感が強かったし、正直言って足元を見られているようで気分がよくなかった。何よりも自分には好きな相手との契約結婚なんて無理だ。
それでも再会した日から思い出にして仕舞ったたつもりだった恋心が蘇り、彼のことを考えずにはいられなくなった。