気高き敏腕CEOは薄幸秘書を滾る熱情で愛妻にする
管理スタッフは元々最低限の社員数で回しているため、羽菜と協力して作業をすることが多い。一番身近な先輩がよい人でよかったと咲良は密かに感謝していた。
「そうだ。頼まれていた資料が届いてたんだった。咲良さん悪いけどそこにある封筒を開けて中身を開発担当に渡して貰えるかな」
「はい。仕分けのあとでいいですか?」
「うん」
咲良は作業のスピードを上げて処理を終えると、羽菜に依頼された通り封筒から中身を取り出す。かなり古い雑誌だった。資料として必要なのだろうか。
雑誌を手にメインフロアに向かい、すぐに見つかった開発担当に渡す。
「ああやっと手に入ったんだ。ありがとう……あ、帰るついでにこれを渡会CEOに渡して貰っていいかな?」
開発担当が渡して来たのは颯斗が愛用しているペンだった。使ったまま置いていってしまったのだろう。
「お預かりします」
咲良は今度はペンを受け取り颯斗の下に向かう。彼は個室ブースで仕事中をすると言っていた。
メインフロアを出て廊下を進むと、コワーキングカフェにある個室のような部屋が並んでいる。
web商談や一人で集中したいときに使用する一人用の小スペースで、社員なら誰でも利用出来る。シースルードアの為、外から中の様子が見えるものの、皆集中しているのか自分の世界に没頭している様子だ。
颯斗は一番奥の個室ブースでノートパソコンを睨んでいた。イヤホンをしていて外からの情報をシャットアウトしている。かなり集中している様子が見て取れる。
出直そうかと考えたとき颯斗が突然ノートパソコンに向けていた視線を上げた。
彼は咲良に気付くと柔らかな表情になりイヤホンを取る。それから咲良を手招きした。
「集中しているところ、ごめんなさい」
ドアを開きながら言うと、颯斗は「大丈夫」と言いながら席を立つ。
「咲良ならいつでも歓迎だ。それにそろそろ休憩を取ろうと思ってたところだ」
颯斗は上機嫌で言い、咲良の背中にそっと手を添えてカフェスペースに向かう。
自由に飲んでいいコーヒサーバーや、軽食の販売機が設置されている寛ぎのスペースだ。ソファとテーブルがいくつか設置してあり、ところどころで社員が休憩をしたり、打合せを行っていた。
「そうだ。頼まれていた資料が届いてたんだった。咲良さん悪いけどそこにある封筒を開けて中身を開発担当に渡して貰えるかな」
「はい。仕分けのあとでいいですか?」
「うん」
咲良は作業のスピードを上げて処理を終えると、羽菜に依頼された通り封筒から中身を取り出す。かなり古い雑誌だった。資料として必要なのだろうか。
雑誌を手にメインフロアに向かい、すぐに見つかった開発担当に渡す。
「ああやっと手に入ったんだ。ありがとう……あ、帰るついでにこれを渡会CEOに渡して貰っていいかな?」
開発担当が渡して来たのは颯斗が愛用しているペンだった。使ったまま置いていってしまったのだろう。
「お預かりします」
咲良は今度はペンを受け取り颯斗の下に向かう。彼は個室ブースで仕事中をすると言っていた。
メインフロアを出て廊下を進むと、コワーキングカフェにある個室のような部屋が並んでいる。
web商談や一人で集中したいときに使用する一人用の小スペースで、社員なら誰でも利用出来る。シースルードアの為、外から中の様子が見えるものの、皆集中しているのか自分の世界に没頭している様子だ。
颯斗は一番奥の個室ブースでノートパソコンを睨んでいた。イヤホンをしていて外からの情報をシャットアウトしている。かなり集中している様子が見て取れる。
出直そうかと考えたとき颯斗が突然ノートパソコンに向けていた視線を上げた。
彼は咲良に気付くと柔らかな表情になりイヤホンを取る。それから咲良を手招きした。
「集中しているところ、ごめんなさい」
ドアを開きながら言うと、颯斗は「大丈夫」と言いながら席を立つ。
「咲良ならいつでも歓迎だ。それにそろそろ休憩を取ろうと思ってたところだ」
颯斗は上機嫌で言い、咲良の背中にそっと手を添えてカフェスペースに向かう。
自由に飲んでいいコーヒサーバーや、軽食の販売機が設置されている寛ぎのスペースだ。ソファとテーブルがいくつか設置してあり、ところどころで社員が休憩をしたり、打合せを行っていた。