拾われデザイナーと魅惑のランジェリー 〜副社長は名ばかり婚約者を溺愛中〜

３ お仕事とアトリエと寝室と

「では、早速なのですが――」
「あの！」

マネージャーさんが切り出したのを遮った。

「私の工房では、今まで主にドレスの縫製を行ってきました。ランジェリーは初めてで、私も工房の者も精一杯勉強させていただきますが、不手際があるかもしれません。その点だけ、ご留意いただけると――」
「分かりました」

彼女はため息交じりにそう言うと、「少し待っていてください」と立ち上がる。一人になった途端、周りの女性たちの鋭い視線を感じた。

「ただの下請けの工房じゃない」
「どうやって副社長を落としたのかしらね」
「実力があるかも分からないのに」
「副社長もあんな作業着女のどこがいいのかしら」

そんな声が聞こえてきたけれど、自分に言われたわけでもないので言い返せない。ぐっとこらえて待っていると、マネージャーさんが何か大きな資料を持ってきてくれた。