拾われデザイナーと魅惑のランジェリー 〜副社長は名ばかり婚約者を溺愛中〜
来るわけない、と誰もが思っていたが、ブランドマネージャーが連絡をするとなぜか彼は飛んできてくれた。そして今、目の前で私のランジェリー姿を見て頬を赤くしている。

ナニコレ、公開処刑!? 恥ずかしすぎるんですけれど!

しばらく無言で見つめ合っていると、崇臣さんがふっとその頬を弛める。

「困ったな、これじゃ今から仕事ができる気がしないよ」
「え?」
「今すぐ君を、抱き潰してしまいたい」

呟くように発された言葉に、部屋中に女性社員の黄色い悲鳴が響く。もちろん、私は顔から火が出るほどに恥ずかしい。けれどすぐに、崇臣さんは真剣な顔をして私の身体をじっと見る。

「ここはもっと細いほうがいい。女性のラインを意識して。せっかくここのラインが美しいんだ、レースで隠さないほうがいいと思う」

指を差されながら言われ、その指先がランジェリーに触れるたびに身体が震えそうになる。昨夜、布団の中で抱きしめられた温かさや筋肉質な腕を思い出してしまいそうになるけれど、彼は意見を出してくれているのだ。きちんと聞かなくては。

一通り意見を言い終わると、崇臣さんは「この後、重役会議があるんだ」と部屋を出て行った。それでほっと胸をなでおろしたけれど、肌のほてりも速まった鼓動も、全然収まらなかった。
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