拾われデザイナーと魅惑のランジェリー 〜副社長は名ばかり婚約者を溺愛中〜
「…………はい!?」

彼の言葉を理解して、素っ頓狂な声が出た。

「ずっと考えていたんだ。ドレスもランジェリーも、琶月が作ったものでのコレクション参加。魅力を一番知っているのは、琶月なんじゃないかって」

驚き目をぱちくりさせる私の前で、崇臣さんは柔らかく微笑みながら続ける。

「ランジェリー会社がブライダルコレクションに出るってだけで異例でしょ? だから、そこでドレスの魅力もランジェリーの魅力も一番に知っている琶月が、その魅力を存分にアピールしてくれたら広告効果は爆上がりだと思うんだ」
「いやいやいや! 私なんかより、モデルさんが着た方が――」

慌てる私にも動じず、崇臣さんはまだ微笑んだままだ。

「前にも言ったけれど、服はモデルが着るためのものじゃない。確かに、コレクションでモデルが服をアピールするのは素敵だと思う。けれど、それだとただの憧れで終わってしまうでしょ?」
「あ……」

崇臣さんに贈られた素敵な服たちを、似合わないと敬遠してしまったことを思い出す。

「実際に結婚するのはモデルじゃない、現実社会にいる、普通の女性たちなんだ。日本の女性の平均体型の君は、その代表としては最適だと思うのだけれど」

でも、不安だ。私なんかで、務まるだろうか。

「どうかな? 琶月がデザインしたドレスを身に着けて、琶月に広告塔になってもらいたい」
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