拾われデザイナーと魅惑のランジェリー 〜副社長は名ばかり婚約者を溺愛中〜
相手役というのは、コレクション中に新郎役を務めるモデルさんだ。ブライダルコレクションの目的は各社の新作ドレスのお披露目であるが、ウェディングは新郎と新婦が二人で一組。ランウェイを歩くのも、常に一緒である必要がある。
「どうする、琶月ちゃん。ぶっつけ本番でいく?」
「あ、いえ、それは不安なので、リハーサルは私一人で挑んでもいいですか?」
「それはいいけれど……」
お義姉さんの瞳が不安そうに揺れる。
「私なら大丈夫です」
そう微笑めば、「分かったわ」と言ってくれた。
けれど、リハーサルとはいえ一人でランウェイを歩くのは虚しかった。お義姉さんの教え通りに、堂々と胸をはって歩く。けれど、誰もいない会場で照明に照らされて、一人きりで歩く花嫁。滑稽すぎて涙が出そうになった。これじゃあ、まるで悲劇のヒロインだ。
リハーサルが終わると、私は一人、とぼとぼと控室に戻った。
「どうだった? イメージ通り?」
「はい! 本番もバッチリ決めますね!」
お義姉さんにはそう言ったけれど、胸の内では不安で仕方なかった。
「どうする、琶月ちゃん。ぶっつけ本番でいく?」
「あ、いえ、それは不安なので、リハーサルは私一人で挑んでもいいですか?」
「それはいいけれど……」
お義姉さんの瞳が不安そうに揺れる。
「私なら大丈夫です」
そう微笑めば、「分かったわ」と言ってくれた。
けれど、リハーサルとはいえ一人でランウェイを歩くのは虚しかった。お義姉さんの教え通りに、堂々と胸をはって歩く。けれど、誰もいない会場で照明に照らされて、一人きりで歩く花嫁。滑稽すぎて涙が出そうになった。これじゃあ、まるで悲劇のヒロインだ。
リハーサルが終わると、私は一人、とぼとぼと控室に戻った。
「どうだった? イメージ通り?」
「はい! 本番もバッチリ決めますね!」
お義姉さんにはそう言ったけれど、胸の内では不安で仕方なかった。