拾われデザイナーと魅惑のランジェリー 〜副社長は名ばかり婚約者を溺愛中〜

9 〝初夜〟

舞台裏に戻ると、身体から力が抜けた。崇臣さんはまだ私を横抱きにしたまま。その顔には満足そうな笑みがまだ浮かんでいて、私は胸をなでおろした。

控室の前では、お義姉さんが待っていた。

「琶月ちゃん、崇臣くん、お疲れ様」

お義姉さんはそう言うと、ランジェリー姿の私の上にさっとガウンをかぶせてくれた。

「崇臣さん、ありがとうございました。あの、降ろして――」
「ん? 降ろさないよ?」
「はい?」

不思議に思ってきょろきょろすると、お義姉さんになぜかウィンクを飛ばされた。

「崇臣くん、後は任せて」
「ああ」

崇臣さんはそう言うと、なぜか出入り口から私を連れ出し、そこに停まっていた高級車の中へ私を押し込んだ。

え? うん? はぁ!?
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