拾われデザイナーと魅惑のランジェリー 〜副社長は名ばかり婚約者を溺愛中〜
崇臣さんの言葉に、いちいちときめいてしまう。優しい笑顔で紡がれる言葉に、勘違いしてしまいそうになる。

「君のことが好きで好きでたまらないから。琶月は、いつも服のことしか見ていないようだけれど」

――勘違いじゃなかった!?

「今、好きって言いました? え、崇臣さん、私のこと好きなんですか!?」
「うん、好きだよ」

はぁ!? 嘘、これは夢!?

信じられなくて黙ってしまうと、「迷惑だった?」と崇臣さんは顔を曇らせる。

「そんなことないです! だって、私だってとっくに――」

言いながら、目の奥がじわんと熱くなる。涙がにじんできてしまう。けれど、伝えたい。この、気持ちを。

「――好き、でしたから」

恥ずかしくなってしまい、思わず顔をそむけた。車がゆっくりと停まる。窓の外を見上げると、見慣れたレジデンスがある。自宅に帰ってきていたらしい。

「琶月」
「はい!」
「君を、もらってもいい?」
「え……」

顔を上げた先にいた崇臣さんは、蠱惑的な笑みを浮かべていた。
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