恋の病に、堕ちてゆく。
第1章

気付いた時にはもう地面に這いつくばっていた。

背中、足、顔、全身に激痛が走る。


「声を上げれば、殺す」


大男から銃口を向けられる。


「可哀想に。善悪の区別がつかない親を持つと、こういうことになるんだよ!」


ガチャリ、拳銃から音が響いた。


助けを求めようと口を開いても、声が出ない。


代わりに流れた涙で、視界が歪む。


なにも、考えられなかった。


怖い、怖いーー。


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