恋の病に、堕ちてゆく。
玄関のドアを開ければ、四季が待機していた。
今日は青波も四季もサングラスをかけている。

一歩足を踏み出す。
外、だ。

そよ風が吹く。

残念ながら青波につけるように言われたサングラスのせいで、太陽の眩しさはよく分からなかった。

ただ干からびていた全身が、太陽の光や爽やかな風を吸収しているように感じた。

私、光合成してる?


「行くぞ」

家のドアへ3重に鍵をかけた青波が歩き出す。私の後ろに四季がついてきて、大我は留守番?と尋ねる前に、目の前に黒い車が止まった。

「後ろ、乗って」

運転席に大我が座っていて、四季は助手席の扉に手をかけた。

私と青波は後部座席に座る。


「失礼」

青波が身を乗り出してきたと思ったら、シートベルトを締めてくれた。今から締めようと思ってたんだけど…。それも少しきつめだ。

「ありがとうございます」

「うん。大我、出して」

青波が指示すると車が動き出す。

そして横道から現れた2台の車がこの車を挟むように前後に分かれて走り出した。

もしかしてまだ仲間が?
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