恋の病に、堕ちてゆく。
きっとこの男性が青波の親友であり、水族館の館長さんだ。

「楽しんで行ってね!」

「はい」

有名水族館の館長まで仲間なのかな?館内の警備がどうのって言ってたし、事情を知らないはすがないよね…。大規模な誘拐すぎじゃない?お父さんはいったい何に巻き込まれているのだろう。


水族館に入ると、青波は私の横に並んだ。

最後尾に居た四季も、自由に水槽を見回り始める。

館内は警察どころか一般人も誰もおらず、私を助けるような人間がいないから安心なのだろう。


「順番に見て行こうか」

「はい」

こんなにもテンションの上がらない水族館は初めてだ。
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