恋の病に、堕ちてゆく。
お土産売り場ではイルカの関連商品が一番多かった。

肌触りのいいぬいぐるみや、キーホルダー、食器なんかもある。

どれにしよう。

お金を出してもらうわけだし、たくさんは買えないよね。

青波は館長と話していて、一緒に選んではくれなかった。

ピンクと水色のイルカがペアになっているマスコットが目に入る。手のひらの半分くらいのサイズで、キーホルダー付きだ。

イルカを1匹ずつシェアできるらしく、友人や恋人とお揃いで持てるらしい。ピンクは自分用、水色はーー何故か青波の顔が浮かんでしまう。

イルカショーが好きって言ってたから…。


「決まったか?」

大我に声をかけられる。

「あ、コレにします」

ペアマスコットを手にとる。

「分かった」

良かった。青波にコレが欲しいとは何故か言いにくい気がしたけれど、大我が買ってくれた。
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