恋の病に、堕ちてゆく。
誘拐犯相手に何やってるんだろう。

「ーー実はさ、加奈ちゃんは妹に会ったことがあるんだ」


青波は私の前に座り、あぐらをかいた。
私も腰を下ろし、目が合うと優しく笑ってくれる。


「え?私がお妹さんにですか?此処に来てましたっけ?」


待って、まさか先生が妹さんとかそんなことはないよね?でも女性ってそれくらいしか…。


「ずっと昔、病院で」

「え?」


パンツのポケットから携帯を取り出し、操作をすると私に画面を見せてくれた。

覗き込むと、女の子2人のツーショット写真が表示されていた。

「これ、私だ…」
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