恋の病に、堕ちてゆく。
青波の胸に頬を寄せたまま、腕を彼の背中に回す。

私が、そうしていたかった。

7日間、青波と共に過ごした。
監禁生活としては長いし、ーー人を好きになる時間にしては短すぎる。

この気持ちは、恋なのだろうか。

俗に言う吊り橋効果?一時の感情に振り回されているだけなの?


「こんな再会はしたくなかったです」

「どんな再会が良かった?」

「…もっと普通に、ゆっくり時間をかけてあなたのことを知っていけるような関係が良かったです」


ゆっくり関係を築いて、青波のこともたくさん知って、私の話もいっぱい聞いて欲しかった。


「そうだね。俺たちは普通の関係じゃない。高校生と25歳の大人が、同じ部屋で暮らすなんてどうかしてる」


そうだね、青波は11歳も年上だ。


「でも今だけは、誰にも(とが)められることなく、加奈ちゃんを抱き締められるよ。同じベッドで眠ることもできる。俺たちは"特別"な関係だから」
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