恋の病に、堕ちてゆく。
床に座り込んで急接近している私たちを見て四季は一瞬動きを止めたが、「青波さん、ちょっといいっすか…」と遠慮がちに聞いた。

「すぐ行く」

いつも余裕そうに自由な振る舞いをしているイメージの四季がなんだか慌てていた。


「加奈ちゃん、先に寝てて。おやすみ」

「おやすみなさい」


青波さんが立ち上がると温もりがすっと消えた。

水色のイルカは青波さんと共に部屋を出て行ってしまい、残されたピンク色のイルカを持ってベッドに入る。

四季はなにを青波さんに伝えに来たのだろう?


青波を待っていたかったが久しぶりに外に出たからか、横になると眠気が襲って来てゆっくりと目を閉じた。
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