恋の病に、堕ちてゆく。
「人間のクズだな!」

四季が吐き捨てる。
あっという間に青波の身体に包帯が巻かれていた。


「あんたたちに私の気持ちは分からない!私の気持ちは、青波にしか分からないのよ!」

「残念だけど、先生の気持ちは俺には1ミリも理解できない。もうじき警察が来る。後は警察で喋ってくれ」

「なんで、青波?この子がいいの?私よりこの子が…」

「……」

もう青波は何も言わずに、黙って新しいシャツに着替える。

元恋人に対して青波がどんな感情を抱いているのか、私には計り知れない。

でも先生の気持ちは分かる。
私に、嫉妬していたんだ。

「別室に行かせます」

「ああ」

大我と四季が先生を引きずるようにして、部屋を出て行った。
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