恋の病に、堕ちてゆく。
「悪役っぽく見せるために色々やってたんだ。目を鋭くするために眉を剃ってみたり、人生初めての金髪にしたりさ」

大我の話し方はクールだけれど、口元が少し緩んでいた。


「大我さんは真面目すぎるんだよ」

「仕事だからな」

頷きながら2人の会話を聞きながら、おでんの汁を味見する青波を見る。

もっと、青波のことを聞きたい。

妹さんの話は本当ですか?
先生とはどれくらいの期間、付き合っていたのですか?


「でも今日で終わりだもんねー俺、寂しくなってきたよ」


今日で終わり、明日からはみんなと会うことはないんだ。


「最後の晩餐だね」

四季の言葉に頷く。

「毎日、美味しいご飯だったなぁ」

インスタントではなく、手の込んだ料理をたくさん食べさせてもらった。ここから出て父と会い、母が元気になったら、またみんなとご飯が食べたいな。
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