恋の病に、堕ちてゆく。
「最初、加奈ちゃんとお母さんは別々の病院に搬送されたんだ。お母さんは大きな怪我はなくて意識を取り戻すことを待つことしかできない。病院の場所が敵に知られるリスクがあるからお見舞いもできない。奴らは加奈ちゃんの行方を追うだけでなく、お母さんの病院も突き止めようとすると思った。だからお父さんはは加奈ちゃんを俺たちに託したんだ。あ、お母さんは警察の厳重の警備下にいるから、そこは安心して欲しいんだけど、万が一に備えてね」

青波はそう説明してくれた。

「それじゃぁ、お母さんにはまだ会えないですか?」

「いや今朝の男が捕まり安全と分かれば、すぐにお母さんに会えるから。大丈夫だよ」

「そうですか…」

大我がほうじ茶を淹れてくれた。

早く目を覚まして欲しいな…。また一緒に美味しいご飯を食べたいな。


「今日は疲れたでしょ?明日は朝早くから出発するから、それを飲んだら早めに休みなね」

「はい」

もっとみんなと話していたかったけれど、私が眠らなければみんなも休めないよね。
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