恋の病に、堕ちてゆく。
徐々にはっきりとしてきた頭で、男を見る。

学校帰り、いつもの角を曲がったところで突然殴られ、大男に銃口を向けられた。

今、目の前にいる細身の男とは体型が違うかな…。


銃を向けられたまま、背後から首にチクっとした感触があって、それでーーたぶん、気を失ったんだ。


この男が、私を背後から襲った人なのかもしれない。


「私は、どうなるの…?」


思っていたよりも、ちゃんと声が出た。

ベッドとテーブルのみ置かれた、真っ白で見慣れない部屋。

縛られてはいないし、私と男の2人きり。逃げる隙はあるかもしれない。

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