恋の病に、堕ちてゆく。
警戒すべき相手に油断して、寝続けていたなんてアホ過ぎる。

テーブルの上に並べられた朝ご飯を見て、吐き気がするほどお腹が空いていたことに気付いた。

そうだよね、昼前の11時くらいから眠って次の日の朝まで目が覚めなかったんだもん。

最近、受験勉強も忙しかったし…なんて聞かれてもいない言い訳を頭の中で並べる。


「じゃぁ、いただきます」

「…いただきます」


今朝は豚汁と、おにぎりだった。タコさんウインナーも添えられている。


「美味しいです」

相変わらずの美味しさに素直な感想を述べると、青波は笑ってくれた。


毒が入っているか警戒しなくなったあたり、監禁生活3日目にしてこの非日常に慣れつつあるのかな。
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