恋の病に、堕ちてゆく。
青波はさっと立ち上がり、私の腕を引いた。

お椀の上にのせた箸がテーブルの上に落ちる。


「大我とシキで対応しろ!俺たちはいないことに」

「了解」


シキ?まだ仲間がいたの?

引きずられるようにして、部屋の隅にあるタンスに誘導される。


「入れ」

「タンスに?」

「いいから入れ」


無理矢理に中に入れられ、青波自身も押し入って来た。


「青波さん、」

「ああ」

手を伸ばし、大我が差し出した銃を握った青波は、それを私の頭に突きつけた。
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