恋の病に、堕ちてゆく。
「今日は寝ないの?肩貸すけど」

「おかげさまでよく寝て、今は眠くないです」

「そっか。残念」

「……」


昨日は油断しすぎた。
深く眠ったら、何かあってもすぐには起きられない。

「もう一本見る?それとも勉強する?」

「勉強します」

学校には行けないけど、受験は待ってくれない。私の人生をこの人たちに壊されるわけにはいかないんだ。


「じゃぁ、ペンどうぞ」

シャツの胸ポケットに引っかけていたシャーペンを差し出され、受け取ろうと手を伸ばすと視界が反転した。

床に倒され、青波が私を見下ろしていた。
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