恋の病に、堕ちてゆく。
青波は床に片手をつき、空いている方の手でペンをくるくると器用に回した。
「ペンってさ、ちょっと危ないよね?目つぶしにもなるし、足とか刺されたら結構痛そう」
やるな、という忠告だ。
ペンで私の心臓を数回、叩く。
「ここ、刺されたら大変だ」
無駄な抵抗はしない。
逃れられないともう知った。
「…身体の傷も、こうやって誘拐した人たちに…?」
だから女子高生相手にもこんなに警戒をしてるの?
「誘拐は、今回が初めてだよ」
「自分の身体をあんなに傷つけて、悲しくないんですか?もっと、自分を大切にする道に変えたらどうですか」
「俺のこと、心配してくれるの?」
意地悪い笑み。
この人の心にはなにも届いてないんだ。
「心配はしてないです…でも、父が助けに来てくれると分かった以上、あなたを傷つける理由はないから。ペンを渡されても、あなたに向けようとは思いません。そんなことをしたらペンを見るたびに、あなたのことを思い出して自分を責めることにもなります」
「ペンってさ、ちょっと危ないよね?目つぶしにもなるし、足とか刺されたら結構痛そう」
やるな、という忠告だ。
ペンで私の心臓を数回、叩く。
「ここ、刺されたら大変だ」
無駄な抵抗はしない。
逃れられないともう知った。
「…身体の傷も、こうやって誘拐した人たちに…?」
だから女子高生相手にもこんなに警戒をしてるの?
「誘拐は、今回が初めてだよ」
「自分の身体をあんなに傷つけて、悲しくないんですか?もっと、自分を大切にする道に変えたらどうですか」
「俺のこと、心配してくれるの?」
意地悪い笑み。
この人の心にはなにも届いてないんだ。
「心配はしてないです…でも、父が助けに来てくれると分かった以上、あなたを傷つける理由はないから。ペンを渡されても、あなたに向けようとは思いません。そんなことをしたらペンを見るたびに、あなたのことを思い出して自分を責めることにもなります」