幼なじみの不器用な愛し方
あたしが諌めるも、特に響いた様子もなく頬杖をつく有斗。

学校行事に特に興味がないことは昔から知っているので、あたしもそれ以上は言わず、自分の席へと戻った。



終礼が終わり、カバンを持って席を立ったあたしは、教室の窓側の席に座る女の子を振り返った。


真由美(まゆみ)ちゃん、行こう」

「あ、うん。ごめんね、すぐ支度するから」

「ゆっくりで大丈夫だよ」


田中(たなか)真由美ちゃん。今回、あたしと一緒にうちのクラスの実行委員になった女の子だ。

クラスが一緒になったのは今年が初めてで、これを機にもっと仲良くなれたらいいなーなんて思っている。


「ごめん、お待たせ」

「ううん、行こっか」


真由美ちゃんと並んで教室を出る。

結子もツジも幼なじみも、教室にはもう姿はなかった。
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