幼なじみの不器用な愛し方
学校指定のカバンや、学校名が入った部活のカバンを持った生徒が一同に昇降口や部室へ向かう中、あたし達は逆走して一つ上のフロアにある視聴覚室を目指す。
えっと。えーっと。
「真由美ちゃん、実行委員するの今年が初めてだよね?」
「うん、そうなの。美月ちゃんは1年生の時からって言ってたよね」
「先輩の指示聞いて動いてただけだけどね。でも、なんでまた今年やろうって思ったの?」
こういう委員決めの時ってみんな立候補しなくて絶妙な空気が流れるようなものだけど、真由美ちゃんは自分から率先して手を挙げていた。
これはよくある、仲良い2人で一緒に、ってやつかと思って様子を見ていたらどうやらそういうことでもなかったようで、残りのひと枠にあたしが手を挙げることになった。
(実行委員の顧問の先生から、勝手がわかってる3年生として今年も委員になれと圧をかけられていたのはナイショ)。
「あ……えっとね。今年はクラス別になっちゃったんだけど、5組に仲良い子がいて。去年の途中から仲良くなったから、同じ係とかしたことなくて。クラス委員よりも体育祭の実行委員のほうが一緒に仕事できるかなって」
「じゃあ、その子との思い出づくりってことか」
えっと。えーっと。
「真由美ちゃん、実行委員するの今年が初めてだよね?」
「うん、そうなの。美月ちゃんは1年生の時からって言ってたよね」
「先輩の指示聞いて動いてただけだけどね。でも、なんでまた今年やろうって思ったの?」
こういう委員決めの時ってみんな立候補しなくて絶妙な空気が流れるようなものだけど、真由美ちゃんは自分から率先して手を挙げていた。
これはよくある、仲良い2人で一緒に、ってやつかと思って様子を見ていたらどうやらそういうことでもなかったようで、残りのひと枠にあたしが手を挙げることになった。
(実行委員の顧問の先生から、勝手がわかってる3年生として今年も委員になれと圧をかけられていたのはナイショ)。
「あ……えっとね。今年はクラス別になっちゃったんだけど、5組に仲良い子がいて。去年の途中から仲良くなったから、同じ係とかしたことなくて。クラス委員よりも体育祭の実行委員のほうが一緒に仕事できるかなって」
「じゃあ、その子との思い出づくりってことか」