幼なじみの不器用な愛し方
「えっと……あ、」

「いいじゃん! クラス委員だとどうしてもクラス内の仕事がメインになっちゃうもんね。ナイス目の付け所っ」


話持ち掛けても、結子だとそうはいかないもんなぁ。

「わざわざ委員なんてしなくたって毎日一緒にいるじゃん〜」なんて言いそう。クラスが違っても言いそう。


なんてあたしが思案していると、真由美ちゃんがぱっと顔を上げてこっちを見た。

視線がほっぺに刺さって抜けない。


「ど、どうかした? あたし、変なこと言った……?」


あたしの問いに、真由美ちゃんがぶんぶんと頭を振る。


「違うの、ごめん。なんか、そうやって言ってもらえると思ってなくて」

「へ……?」

「今年美月ちゃんと初めて同じクラスになったけど、あんまり話したことなかったから、その……目立つ人達と一緒にいる印象が強くて……」


あわあわと焦る様子を見せながらも言葉を紡ぐ真由美ちゃんに、あたしはあぁと思い至る。

有斗に結子にツジ。普段の私の周りは、黙っていても目立つような人ばかり。
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