幼なじみの不器用な愛し方
その中でも有斗の存在感は突出していて、過去に友達から言われた言葉を借りると、あたしは有斗の学校内におけるマネージャーらしい。

存在感だけはあたしも引き上げられちゃってるから、そりゃよく知らないと萎縮しちゃうよねぇ。


「あたしの周りはああだけど、あたしは至って普通だよ〜。っていうか、あたしの周りも話してみれば普通だよ。まぁ……有斗は、ちょっと無愛想なトコあるけど……」


ちょっと、って言葉だけ少し声が小さくなっちゃったのは気のせいだ、うん。


「教室だと話しかけづらかったりするかもだけどさ、せっかく一緒に委員になれたんだし、仲良くしてね」

「そんなの! こちらこそ!」


話をしているうちに視聴覚室に着いた。

中には、ぽつぽつと他クラス多学年の子達が離れた席で座っている。

と、中に見知った後ろ姿を見つけた。


「菊池!」


あたしが声を掛けると、ぱっとその人物が振り返る。

辺りを明るく照らす、太陽みたいな笑顔を浮かべて。
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