幼なじみの不器用な愛し方
「秋山じゃん!」
視聴覚に響く声に、周りが一斉に彼に視線を投げた。
短くカットされた黒髪に、少し切れ長の奥二重の目。焼けた小麦色の肌にちらりと覗く八重歯がよく映える。
「ちょっと、声大きいよ」
「あぁ、悪い。癖で」
「……さすが空手部主将」
大学の大きな講義室のように後ろの席が少し高くなっている視聴覚室の1番下、教卓の真ん前に座る彼に歩み寄る。
「今年も立候補したんだね。部活あるから、もういないかと思ってた」
「迷ったけどな。どうせなら3年間やりたいと思って、副キャプに全部仕事投げてきた」
「あはは。菊池らしいねそういうとこ」
ケラケラ笑う菊池を、あたしの陰からそっと伺う人影ひとつ。
そうだ、紹介しなくちゃ。
「ごめん、真由美ちゃん。あたし達だけで盛り上がっちゃった」
「あ、ううん」
「こちら、菊池悠馬くん。空手部のキャプテンで、1年生の時に体育祭の実行委員が同じで仲良くなったの」
視聴覚に響く声に、周りが一斉に彼に視線を投げた。
短くカットされた黒髪に、少し切れ長の奥二重の目。焼けた小麦色の肌にちらりと覗く八重歯がよく映える。
「ちょっと、声大きいよ」
「あぁ、悪い。癖で」
「……さすが空手部主将」
大学の大きな講義室のように後ろの席が少し高くなっている視聴覚室の1番下、教卓の真ん前に座る彼に歩み寄る。
「今年も立候補したんだね。部活あるから、もういないかと思ってた」
「迷ったけどな。どうせなら3年間やりたいと思って、副キャプに全部仕事投げてきた」
「あはは。菊池らしいねそういうとこ」
ケラケラ笑う菊池を、あたしの陰からそっと伺う人影ひとつ。
そうだ、紹介しなくちゃ。
「ごめん、真由美ちゃん。あたし達だけで盛り上がっちゃった」
「あ、ううん」
「こちら、菊池悠馬くん。空手部のキャプテンで、1年生の時に体育祭の実行委員が同じで仲良くなったの」