幼なじみの不器用な愛し方
「よろしく。えーっと……」

「あ、えっと。田中真由美です」

「田中か! よろしくなっ」


おぉ、圧倒的体育会系陽オーラ。

目が眩むわ〜。


「そういえば、菊池って何組になったんだっけ?」

「俺? 俺は5組〜」


5組? 5組って確か。


「まゆみーん」


空気を切り裂いたのは、フルートのような高い声。

あ、と真由美ちゃんが後ろを振り返って、あたしと菊池も視線をそちらに向けた。


「あれっ、菊池くんも一緒だぁ。ごめんね、遅くなっちゃった〜」


視聴覚室の前の扉からパタパタと中に入ってきたのは、あたしよりも身長が10センチくらい低い可愛らしい女の子。

頭の高いところで一つに束ねられた髪はふわふわしていて、綺麗に切り揃えられた前髪から、まん丸の目が覗いている。


「メグちゃん!」

「おぉ、上原」


買って知ったら様子で、菊池と真由美ちゃんが声を掛ける。

メグちゃんと呼ばれたその子は、あたしをちらりと一瞥してから自然と輪の中に合流した。
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