幼なじみの不器用な愛し方
「紹介するね、美月ちゃん。こちら、さっき話した上原(メグミ)ちゃん」

「上原です! メグって呼んでね」


高く澄んだ声が心地よく響く。

メグちゃん、と彼女の愛称を舌先で転がしてから、あたしも名乗ろうと口を開きかけた瞬間、


「秋山美月ちゃんだよね。ね、美月ちゃんって呼んでもいい?」


あたしを追い抜いて、彼女の唇があたしの名前を声に乗せた。

目を瞬かせたあたしに、メグちゃんはくすくすと笑う。


「美月ちゃん、有名人だもん。名前はみんな知ってるよぉ」


傍らで頷く人が、いち、にい。

あたしも、あぁそっか、と納得する。理由は割愛。


「もちろん、名前で呼んでくれると嬉しい。よろしくね」


あたしが言うとメグちゃんは嬉しそうに笑って、それからあたし達4人は、菊池の隣と後ろに座りこれから始まる委員会に臨んだ。




家に帰り着くなり、見計らっていたかのようなタイミングでインターホンが鳴った。

制服姿のままモニターを確認すると、
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