幼なじみの不器用な愛し方
幼なじみは南国を満喫中です。
「あ、そーだ。俺、明日から沖縄だから。」
5月も中旬に差し掛かった、日曜日の昼下がり。
当然のようにあたしの部屋のベッドに寝転んでスマホをいじっていた幼なじみは、何の前触れもなく、ちょっとそこのコンビニまで、のテンションでそんなことを言ってのけた。
「……今、なんて?」
「だから、沖縄。2泊3日で」
聞こえなかったのか? なんて平然としてるけど、もちろん聞こえていないわけじゃない。
聞こえていて尚、脳内処理が追いつかなかったんだ。
「沖縄って……随分遠くだね」
「まぁな。飛行機で大体3時間ってとこか」
「仕事で?」
「あぁ。撮影」
勉強机に向かっていたあたしが回転椅子を回して有斗のほうを見るも、当人は寝そべったまま、スマホから視線を上げない。
きっと彼は今、ツジに勧められた漫画を電子書籍で読んでいる。……自分の部屋で読みなよね、とは思うけど、聞く耳を持つ有斗ではないことはわかっている。
5月も中旬に差し掛かった、日曜日の昼下がり。
当然のようにあたしの部屋のベッドに寝転んでスマホをいじっていた幼なじみは、何の前触れもなく、ちょっとそこのコンビニまで、のテンションでそんなことを言ってのけた。
「……今、なんて?」
「だから、沖縄。2泊3日で」
聞こえなかったのか? なんて平然としてるけど、もちろん聞こえていないわけじゃない。
聞こえていて尚、脳内処理が追いつかなかったんだ。
「沖縄って……随分遠くだね」
「まぁな。飛行機で大体3時間ってとこか」
「仕事で?」
「あぁ。撮影」
勉強机に向かっていたあたしが回転椅子を回して有斗のほうを見るも、当人は寝そべったまま、スマホから視線を上げない。
きっと彼は今、ツジに勧められた漫画を電子書籍で読んでいる。……自分の部屋で読みなよね、とは思うけど、聞く耳を持つ有斗ではないことはわかっている。