幼なじみの不器用な愛し方
「2年3組の石川紗理那です。よろしくお願いします」

「1年1組の林健太郎です。お願いします」


何となく丸く集まったメンバーが、順番に自己紹介していく。

あたしの右隣の女の子が自己紹介を終えたので、次はあたしの番だ。


「3年4組の秋山美月です。よろしくお願いします」


委員長を務めてて今更かと思いつつも名乗ると、左隣からわっと声が上がった。

びっくりして振り返ると──大きな目をキラキラと輝かせた男の子があたしを見ていた。


「委員長と同じ班なら安心だなぁ……!」


感嘆したような声に目を丸くしていると、彼はハッとしたように全体に向き直った。


「1年6組の谷瀬琉輝(たにせるき)です! よろしくお願いします!」


溌剌とした声とキラキラ笑顔。

笑った拍子にちらりと覗く八重歯に、ふわふわと柔らかそうな髪。


な……なんか、犬みたい……!
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