元カノ
‐数日後。

「…ふぅ。
トイレトイレ」

詩生里は夜中、尿意を感じて起きた。
妊娠中によくある頻尿だ。

ふと見ると、心太がスマホを握りしめたまま眠っている。

「珍しい事もあるもんやな…」

何故か胸騒ぎがして、詩生里は心太の手から、ソッとスマホを取ると、スマホを見た。

するとライン画面になり、心太が心月とやり取りしていた。

心月にグイグイいく心太に対して、一歩引いている心月。

最後の文章には、

『わかった。
でも俺まだみっちゃんの事が』

と書かれていた。

みっちゃんの事が…、何?

まだ、好き?

まだ、忘れられない?

あたしはシン君にとってなんやの?

「…ヤダ、ヤダ、ヤダ…」

詩生里は呟くと、トイレに行かず、また布団の中に入った。
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