夢の外でも君の隣に
複雑
学校に行かないといけない憂鬱と友達と久しぶりに

会える楽しみがごちゃまぜになる2学期初日、何

事もなく午前の日程が終わろうとしていた。せっか

く早く帰れるんだし、いつも一緒にいる莉心《り

こ》、遥花《はるか》、芽生《めい》、私の4人で

近くのカフェに行っちゃおっかなーなんて考え

ながらリュックに荷物を詰めていると、教卓からパ

ンパンと手をたたく音が聞こえてきた。手を止めて

前を見ると、クラス委員の真央《まお》が席の表と

あみだくじを準備している。

「はーい、2学期になったことだし、今から席替え

しようと思いまーす。各自、好きなところに自分の   

出席番号を書いていってね。」

席替えかぁ、前回の席替えは後ろを取られる前に私

が取ってやる!と意気込んで早めにくじを引いた結

果、見事に1番前&苦手なクラスメイトの隣を引き

当ててしまった。今回は残り5席くらいまで待って

引く「残り物には福来る作戦」でいってみようかな

ぁなんて考えていると、急に後ろから

「まーつりっ、早く行かないといい席全部取られちゃ

うよ!芽生はもう書いてきたから、茉莉も書いてき

なよ。また前みたいに最悪な席を引いちゃってもい  

いの?」




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