夢の外でも君の隣に
私は「はーい」と独り言で返事をしながらあみだく

じに名前を書こうとカチカチとシャーペンの芯を出

し入れする。ふむふむ、芽生が右から3番目で遥花

がど真ん中、莉心が左端かぁ。近くを選んだらその

人とは席が近くにならないなんて謎の言い伝え的な

ことがあるからか、3人とも絶妙に離れた位置に名

前を書いている。どこに書こうかな、芽生と遥花の

間か遥花と莉心の間。心の中で「どーちーらーにー

しーよーうーかーなー」と歌って決めた結果、遥花

と莉心の間に書くことに決めた。その後、私の後ろ

に並んでいた2人もあみだくじに名前を書いたこと

で、新しい席が発表された。私の席は真ん中の列の

後ろから2番目、後ろに遥花、右斜め前に莉心、1

番廊下側の前から3番目に芽生という席だった。外

れ席を引かなかったことにほっと胸を撫で下ろして

いると、

「うぅー、なんで芽生だけみんなと遠いのぉぉ」

そう言って芽生が半泣きで頭を抱えていた。それを

3人で「まあまあ」となだめる。

「良いじゃん斜め前に大好きな康汰がいるんだし

(笑)」

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