先生!見ちゃダメ!
―――千晴くんは幼なじみだ。
3つ歳上の、お隣さん。
小学校の登校班はもちろん同じだったし、私や千晴くんが休んだときにプリントを届けに行く役目も、お互いがお互いだった。
みっつ、歳上。
だから中学や高校で学年が被ることはなく、ましてや千晴くんの方が先に大人になってしまうから、段々と会う頻度は減っていた。
中学生は忙しいんだな。そう思いながらいざ自分が中学生になると、千晴くんは高校生になっていて、もっと忙しくなっていた。
今だってそう。
やっと高校生になれたというのに、千晴くんは大学生。追いついたと思った頃には千晴くんも同じだけ先を歩いていて、縮まることがない距離。
せめて私がもう1年早く生まれてれば、1年は同じ学校に通えたのに。自分勝手なのはわかってるけど、たまに両親を恨んでしまいそうな気持ちにすらなる。
けれど幸いなことに、千晴くんは教育学部に進み、こうして私も通っている学校に実習に来てくれたわけで。
…人生最高潮、といった感じではある。でも。
「千晴くん、人気すぎて近付けないよ…」