病弱プリンセス 〜ギャップ萌え男子は溺愛中。〜
早く、お水と薬飲まないと…。
って、薬とかあったっけ…?買いに行かないと、かな…。
「あっ。未開封のお水のペットボトルに、薬?冷えピタに、食べやすいゼリーまで…。」
買ってきて、くれた…?!
あの黒羽さんが…!?
………めっちゃ用意してくれてる…!
もしかして、慣れてる、?
「パクッ、ごくんっ。」
頭痛くなってきた…。
薬も飲んだし、冷えピタして早く寝よ……。
「すやぁ……うぅ…ん…むにゃぁ……」
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「みんなおはよう〜!」
今日は仲良くして貰えるかな…?
「お、おはようっ…藤咲さん。」
「藤咲……おはよう。」
「藤咲さん……か。あっ!それより、〇〇ちゃん、昨日のテレビ見たー?」
「うん!それにさ………」
いつも通り全然みんなと目が合わない。
休んでることが多いし友達できないんだよね…。
少し仲良くなっても休んでるうちに他の子と仲良くなっちゃうし…。
今日は自分から話しかけてみようかな。
「あの……私も一緒に……」
「ん?」
「何ぃ?」
クラスメイトの〇〇ちゃんと××ちゃんがこっちをじぃっと見る。
なんか睨まれてるような…歓迎されていないような目。
「ごめんね!やっぱなんでもないよ…。」
こんなの怖くて話せないっ!
「ふーん。そっか。………でさぁー!××っていうアイドルがー」
やっぱりダメだった……。
「ねぇねぇ藤咲。」
何人かの男の子がこっちに駆け寄ってきた。
「藤咲さ、なんでそんな髪の色なの?」
「えっと…」
せっかく男の子が話しかけてくれたと思ったのに…。
「目も薄茶色みたいな色してるし。染めてんでしょ。」
違う…!
違うのに。
「お母さんがハーフだから…。」
私はお母さんがハーフだから髪が金色なだけだし、この目もたまたま色素が薄かっただけなのに。
「言い訳するなよ。みんなに広めてやるよ。『藤咲はいつも休んでサボってる上に染めてるヤバい奴だー』って」
「っ!?、違うってば!」
他の男の子もからかい始める。
ー男の子?
違う。
これは男の子じゃなくて“男子”なんだ。
「え、藤咲染めてんの!?やばー。あははは」
「いーけないんだーっ!」
「みんなで言いふらしてやろうぜ!」
怖い……。
周りの女の子達もチラチラとこちらを見ては、ヒソヒソ話したりクスクスしたり、見ないふりをしている。
「なんだよその髪ー」
「痛…っ。痛いよっ…。」
髪引っ張らないで…。
怖いっ。
助けて…………。
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