病弱プリンセス 〜ギャップ萌え男子は溺愛中。〜
「ーーって事があって、男の子が苦手になって…。」

「っそんなことがあったの…!?」

「うん。…小学校の頃はしょっちゅう熱出して休んじゃってたんらけど……コホッ。」

熱で滑舌が悪くなってる…。

「…………。」

この事を話すと涙が出そうになる。
こんなに昔のことを気にするのは良くない…っ。
もうその男子達は居ないんだから。

私は、涙がこぼれないように笑みを浮かべた。

「その時…お父さんが理事長になって……。ここの中等部に来ることになったんだ。…………今でも小学校の頃のこと引きずってるの…おかしいよね。」

《つぅー……っ。》

涙が頬をつたる。

あー。抑えきれなかった。

熱のせいか、涙のせいか顔が熱い。

「おかしくないよ!絶対にそんなことない。」

「ふぇっ……?!」

「何なのその男子達。こんなに可愛い玲愛をいじめるとかありえないっ!」

琉瑠ちゃんが私のために本気で怒ってくれる、なんて。

「ふふっ。ありがとう…っ。」

「うん。」

もうあの男子達は居ないんだから…。

「コホッ、コホッ、ゴホッ。ふーっ。」

「あっ…!ごめんね玲愛ちゃん。熱高いのに無理して話せちゃって…。」

「ううん、大丈夫だよ……。」

確かにちょっときつくなってきた。
もう横になろうかな…。

ーーーーーーー


《ピコンッ》

「あ、ちょっとごめん。」

琉瑠ちゃんのケータイがなった。

「玲愛ちゃんっ。私、急に部活に呼ばれちゃって…行かなくちゃ行けなくなっちゃった。玲愛ちゃん大丈夫そ?」

「全然大丈夫だよ。むしろここまで長居させちゃってごめんね…。行ってきて!」

「うん、じゃあまたね。昇に連絡しといたから!無理しないで休んでねー。」

「コホッ、うん。行ってらっしゃいっ。」
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