病弱プリンセス 〜ギャップ萌え男子は溺愛中。〜

2人きり。

琉瑠ちゃんが出ていった後も、私の熱は下がらなかった。

むしろ、少し上がったような気もする。

ーーーー
ーー


「玲愛、入るよ。また熱出したって聞いたけど……。」

《ピッ、ガチャ》

「あ、昇、くん……」

遠くで部活じゃない人の下校の声が聞こえる。

な、にかお出迎え……。

さっきはできなかったけど…。

「ちょっと、待っれ……お茶とか……」

《フラッ》

不意に視界が揺れる

また、倒れ…っ。

私は床に打ち付けられる覚悟をしてぎゅっと目を瞑った。

《フワッ》

…?痛くない。

目を開けると私は誰かに抱かれているみたいだった。

……昇くんにお姫様抱っこされ、てる?!///

《ドキッ》

不意に心臓の音が大きくなる。

「っ……大丈夫か?玲愛。どこかぶつけたり……」

「大丈夫…///どこもぶつけてない…っ。ありがと。」

「玲愛が無事でよかった。」

昇くんがほっとしたような笑みを浮かべる。

次の瞬間、昇くんは私を見て照れたような、焦ったような表情に変わった。

「あっ、これは、玲愛が倒れそうだったからとっさに……。」

「うん、分かっれる…っ」

私は、すぐ上にある昇くんの顔を見つめた。

ち、近い…///昇くんの心臓の音が聞こえる。

《トクッ、トクッ、トクッ……》

「……」

「……っ////」

昇くんは顔を赤らめたまま俯いている。

突然の沈黙。

黙れば黙るほどこの状況が恥ずかしくなって、頭がいっぱいになる。

ーあったかい。

不意に昇くんの体のぬくもりが伝わる。
呂律も回らないし…。
もうショートしそう……。
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