たとえば、こんな人生も②
―――……



「…」



……あったかくて、いい匂い

………なんだっけ…これ


知ってる温もりと香り
沈んでいた意識が浮上していく


ふっと、目を開ければ


淡く光る間接照明に照らされるのは
自分の寝室


ふわふわのベッドの上で
自分が誰かの胸元に顔を寄せてる事に気付く

視線を上へ向ければ
見慣れた相手が隣で静かに眠ってる


「…」


いつもよりあどけない寝顔を
ぼんやり眺めてから


私はまた
その人の胸元に顔を寄せて、目を閉じた
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