たとえば、こんな人生も②
「大丈夫」


姉さん達は
友達がいない私を気にしている節がある


せっかくの高校生活なんだからと


『友達を作ってみたら?』

『部活に入ってみたら?』

『放課後の寄り道も楽しいわよ』

『もっとイベントに積極的に参加すればいいのに』

『たくさん遊んで、楽しんで
青春を謳歌しなさい』


そんな言葉を事あるごとに向けられる



度々、身体に傷を作って登校していた私は
なにかと注目されていた

人の目を集めていたけど
厄介事には関わりたくないのが人の心理

奇異の目で見られるばかりで
周りの人が近づいてくることはなかった


だけど、私はそれを特に気にしてなかった

悪口や嫌がらせ、そういうことがあったなら
さすがに少し傷付いていただろうけど
そういうこともなかったし

自分が異端なのを
ちゃんと分かっていたからこそ

『普通の人』
の中に入るのはためらいがあったから

自分と関わることで
『普通の人』の日常を壊すのも嫌だったし



拒絶まではいかなくても
進んで周りと関わるようなことはしなかった

学校行事や部活動にも参加せず
静かな学校生活を過ごしていた
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