たとえば、こんな人生も②
「ごめんね。シン君、迷惑かけて」

「別に。帰り道の途中だし」

「でも、ごめんね」


隣を歩くシン君は
本当に気にしてない様子だったけど
いたたまれなくて、ごめんねを繰り返す



姉さんに言われた通り
すぐ、オーナーに出来事を報告した
いつきさんは外出中だったから、メールで

オーナーの案で
しばらくの間、バイトがある日は
シン君、いつきさん、お店のガードマンの人に送り迎えをしてもらうことになった

さすがに、それは申し訳なくて
断ろうとしたけど

過保護なオーナーに
ゴリ押しされてしまった


とりあえず、今日は
上がり時間が同じだったシン君に
家まで送ってもらうことになった


「お前が悪いわけじゃねーのに謝んなよ」

「自己都合なのに、申し訳なくて」

「言い出したのは、レイジだろ
そもそも、元凶は付きまとってきたやつだし」


それはそうなんだけど…


前よりは、周りに相談したり
頼る事が出来るようになったとは言え

いまだに、自分のことで
迷惑をかけたり
誰かの手を煩わせることは苦手
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