たとえば、こんな人生も②
「…」
……文化祭準備期間で良かった
今月は
そこまでシフトを入れてなかったから
あんまり迷惑かけなくて済む
不幸中の幸い
「……はぁ…
ガキの癖に気遣いすぎなんだよ。お前」
しゅんと肩を落とし
とぼとぼ歩いていた私を横目で見て
ため息をつきながら
ほら、と、カバンから取り出したお菓子を差し出すシン君
立ち止まって、シン君に顔を向ける
「あのな
俺は、嫌なら嫌ってちゃんと断る」
「他の奴だってそうだ
レイジのとこにいる奴らは
みんな、本音で付き合ってる
そういう関係性を築いてんだよ」
「強要されてるわけじゃねーんだから
気にするな」
……普段は、中学生みたいな人なのに
シン君は、時々
年相応に大人な言動をする時がある
悩んでる時とか、落ち込んでる時とか
本当に「それ」が必要な時に
求めてる相手がいる時に
ぶっきらぼうな、優しさをくれる
「……見た目、中学生みたいなシン君に
ガキって言われたくない」
「あ?なんだって?」
無言でお菓子を受け取って
軽口(皮肉)を返す
「この俺が励ましてやってるのに」っと
不満げな表情を見せるシン君に
小さく笑いをこぼせば
シン君は、一瞬だけ
安心したかのように笑って
それから、「行くぞ」と、また歩き出す
シン君がくれたお菓子を口に入れてから
その後を追った
……文化祭準備期間で良かった
今月は
そこまでシフトを入れてなかったから
あんまり迷惑かけなくて済む
不幸中の幸い
「……はぁ…
ガキの癖に気遣いすぎなんだよ。お前」
しゅんと肩を落とし
とぼとぼ歩いていた私を横目で見て
ため息をつきながら
ほら、と、カバンから取り出したお菓子を差し出すシン君
立ち止まって、シン君に顔を向ける
「あのな
俺は、嫌なら嫌ってちゃんと断る」
「他の奴だってそうだ
レイジのとこにいる奴らは
みんな、本音で付き合ってる
そういう関係性を築いてんだよ」
「強要されてるわけじゃねーんだから
気にするな」
……普段は、中学生みたいな人なのに
シン君は、時々
年相応に大人な言動をする時がある
悩んでる時とか、落ち込んでる時とか
本当に「それ」が必要な時に
求めてる相手がいる時に
ぶっきらぼうな、優しさをくれる
「……見た目、中学生みたいなシン君に
ガキって言われたくない」
「あ?なんだって?」
無言でお菓子を受け取って
軽口(皮肉)を返す
「この俺が励ましてやってるのに」っと
不満げな表情を見せるシン君に
小さく笑いをこぼせば
シン君は、一瞬だけ
安心したかのように笑って
それから、「行くぞ」と、また歩き出す
シン君がくれたお菓子を口に入れてから
その後を追った