辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~ 2
 大量の料理を作るのには慣れているが、それでも領地の人も招くとなると鍋の数が足りないのだ。少なくとも千人分は用意したい。
「どうだろうなぁ……そんなに大きな鍋は作ったことがないからなぁ……」
「……無理?」
 エルがしゅんとしてしまったのを見た職人は、慌てて手を左右に振った。
「大丈夫。作れますよ!」
「本当? よかった。お願いしてもいい……? あ、ちゃんとお父様から許可はもらってあるの」
 工房で開発中のものがあった場合、彼らの手を止めさせることになってしまうから、父の許可もちゃんともらってから来た。
「お任せください」
「ありがとぉ! じゃあ、エル、もう行くね!」
「お気をつけて!」
 笑顔で引き受けてくれた職人にお礼を言うと、エルは工房をあとにした。
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