辺境騎士団のお料理係！～捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります～ 2

　さすがに料理当番までは事前に聞いていなかったのだろう。ラースから、ロザリアも厨房に入ると聞いてますます困った顔になっている。
「リティカ嬢、エルも厨房にいるし、そんな難しいことはしないから大丈夫よ？」
　凝ったものを作る機会というのはそう多くない。だが、エルの言葉にもリティカは不安そうな様子を隠せないまま。
「私、私は何をしたらいいの？」
「ふふーん、イレネ嬢にもお手伝いあるよ！」
　まずは卵を割って、ミルク、砂糖と混ぜ合わせる。ブラストビーの蜂蜜は、風味をつけるために少しだけ入れる。レシピは、リティカ達が来る前に調整済みだ。
「俺がボウルを押さえててあげる」
　ハロンがボウルを押さえて、イレネが泡立て器でかき混ぜる係だ。